118毒となるポジティブ

 

Toxic Positivity

毒となるポジティブとは
どんな時でも
どんな状態でもポジティブでいようと
ポジティブが行き過ぎた状態。

どんな状況下においても
幸せで楽観的な状態でいようとする。
それを過度に一般化しすぎること。
その結果
純粋な感情を否定し
ないものとしていまうこと。

You gotta face yourself!

現代社会において
常に元気でいること。
常に前向きな状態であること。
常に明るい気持ちでいること。

それがいかに難しいかを
それぞれが味わっている。

そこにある感情は消えない。
リアルな感情がそこにある。
その感情を味わう。

自分に向き合う。
自分の声を聞く。


1 毒となるポジティブ思考

有毒なポジティブ思考とは、どんなに辛く困難な状況であっても、常に前向きな考え方でいようとする、頑なで強い信念と言えます。楽観主義であったり、常にポジティブに物事に立ち向かっていくことは、もちろん、良いことなのですが、それが行き過ぎた状態です。ポジティブ思考が毒となり、成長を妨げたり、自分のネガティブな感情を抑圧することで、心身の負担になっていきます。また、他人と表面的な関係になっていく可能性があります。

2 ポジティブが行き過ぎると毒になる

人生に対してポジティブであることはとても大切な姿勢です。前向きに進むことで、困難を乗り越えることができます。世界をネガティブに捉える人よりも、ポジティブに捉える人の方が、当然の如く、同じ状況でもご機嫌でいられますし、「できない」「無理だ」という弱音を吐くよりも「できる」「絶対に大丈夫だ」と言える精神性は、素晴らしいことです。

ただし、問題は、人生が常にポジティブであるとは限らないということです。様々な困難がやってきます。誰しもが、痛みを伴う感情が湧き起こります。怒り、不安、恐怖、嫉妬など、ネガティブな感情はとても不快ですし、他人にもみせたくないものです。でも、それらのネガティブな感情が出ることを否定したり、無かったことにしてポジティブにポジティブにと突き進むには無理があります。否定的な感情も、素直に感じて受け止める方が健康的です。

毒となるポジティブ思考は、こうしたネガティブな感情が自分の中にわき起こることを認めず、他人に見せないだけではなく、自分の中でも無かったことにして無視してしまいます。それが有毒になっていくのです。

3 毒となるポジティブの傾向

  • 自分は常にポジティブでいようとする
  • 自分はネガティブな感情を感じることはない
  • 自分の本当の気持ちを他人に隠そうとする
  • 人に本当の感情を伝えるのは苦手だ
  • 泣き言を言うことはよくないことだと思っている
  • ネガティブな感情に罪悪感を覚えてしまう
  • ネガティブな感情を必要以上に嫌う
  • 自分の感情を認識することが苦手だ
  • 問題に直面するよりも無かったことにしようとする
  • ポジティブでない人に対して否定的な感情がある


4 毒となるポジティブが自分を傷つける

自分のネガティブな面を他人に見せたくないと、人は仮面を被ります。仮面の裏に隠れた本当の自分を否定してしまうことになります。怒り、悲しみ、不安、恐れ、嫉妬などの感情は、誰しもにわき起こるものですが、これが否定されると、体の奥深くに埋もれてしまいます。

抑制された感情は、無くなったわけではなく、自分の中に蓄積します。それは、自律神経系や内分泌系を通して、心身に影響し、不安神経症、うつ病、パニック障害、そして、身体的な病気になって現れる可能性もあります。 

体と心は、自律神経系や内分泌系などによって、双方向のネットワークを形成しています。
ですから、失った感情は、どこかの体の不具合として現れている可能性があります。何かの感情を抑制しても、体の一部がぐっと硬くなったり、反応します。それが持続することで、その部分に不具合が起きてしまうのです。単純な肩こりや腰痛にも、抑圧された感情が隠されている可能性があります。

5 毒となるポジティブが人を傷つける

また、辛い経験をした人に対して、「何とかなるさ、元気出して、明るく行こう」などと励ますことも、有毒なポジティブ思考を押し付けることになってしまいます。このような言葉は、実際に耐えがたい困難な時期を経験している人に害を及ぼす可能性があります。

そんな人に必要なのは、今感じているリアルな感情を共有し、無条件なサポートです。感情を否定されたり、無視されたりすると、心を開くことができなくなってしまいます。困難に直面しているのなら、安心・安全な場で、そのネガティブな感情を認め、受け入れてもらい、そして、解放することが必要です。

ネガティブな出来事も感情も一通り経験し、苦しんだ末に、ようやく、その経験を糧に、人は次のステージで成長していきます。この段階になって、後から振り返って、「ネガティブな出来事も、自分にとってためになった」ということができるものですが、苦しみの渦中には、そんな余裕はありません。


6 毒となるポジティブを避ける

ネガティブな感情を受入れる

自分に対しても、他人に対しても、ネガティブな出来事を経験している最中にネガティブな感情が沸き起こったら、当たり前のこととして受け止め、否定しないようにします。ストレスの多い状況に直面しているとき、ストレスを感じたり、不安になったり、恐れたりすることは、普通のことです。自分の感情を認めて、感じてください。

完璧な人はいない

完璧な人間などいません。あまりにも反社会的であれば問題ですが、人それぞれの個性があります。欠点はみんなありますし、できないこともたくさんあります。その多様性があってこそ、世界は彩り豊かです。失敗のない人生などほとんどありませんし、失敗を経験していない人は、他人に対しても共感性がなく、痛みのわからない人間になることも珍しくありません。

グレーを受け入れる

白黒はっきりつけて、かつ、白しか認めないというのは、オールオアナッシングの考え方です。危険です。有毒なポジティブ思考です。感情は、白か黒か、はっきり割り切れるものではなく、グレーのグラデーションです。

ポジティブを押し付ける人とは距離を置く

自分が辛い時期に、共感することなく、励ましの言葉をかけたり、むしろ否定してきたりする人とは距離を置いてみましょう。ポジティブな投稿や自慢げな投稿ばかりが目に付くソーシャルメディアのフォローをやめてみましょう。他人と比べたり、自分の状況を卑下するのはやめましょう。



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